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品質トラブル その色落ち、大丈夫? 堅牢度不良と色止め加工について
「白いバッグに服の色が移ってしまった…」
「洗濯したら他の衣類に色がついてしまった…」
そんな“色移り”の経験はありませんか?
アパレル製品では、色落ちや色移りによる品質トラブルが少なくありません。
特に濃色製品やデニム製品では、着用時の摩擦や洗濯によってトラブルが発生するケースがあります。
実際、購入直後は問題なく見えても、着用や洗濯を繰り返すことで徐々に問題が表面化することもあります。
このような問題の多くは、「堅牢度(けんろうど)」という品質性能が関係しています。
堅牢度とは、簡単に言えば「色の強さ」のことです。
どれだけ洗濯しても色落ちしにくいか、どれだけ擦れても他のものへ色移りしにくいか、といった性能を表します。
アパレル製品ではデザイン性だけでなく、こうした品質性能も非常に重要です。
もし堅牢度に問題がある状態で市場へ流通すると、消費者トラブルだけでなく、ブランドイメージにも大きな影響を与える可能性があります。
近年ではSNSの普及により、品質トラブルが短時間で拡散されるケースも増えています。
そのため、「色落ちしないこと」は、単なる品質項目ではなく、ブランド価値を守るための重要なポイントになっています。
今回は、アパレル品質トラブルの代表例である「堅牢度不良」について、できるだけ分かりやすく解説します。
堅牢度不良とは?
堅牢度不良とは、簡単に言うと、
「色が落ちやすい・移りやすい状態」
のことです。
染料が生地へ十分に定着していない場合、さまざまなトラブルが発生します。
例えば、
- 洗濯時に他の衣類へ色が移る
- バッグや靴、他の衣類へ色が付着する
- 汗や紫外線によって変色・退色する
- 着用や洗濯を繰り返すことで色が薄くなる
といったケースです。
特に黒・ネイビー・赤などの濃色商品では注意が必要です。
また、色移りは「洗濯時」だけとは限りません。
着用中の摩擦によってバッグや他の衣類へ色が移ってしまうケースも多くあります。
特に夏場は汗や湿気の影響を受けやすく、摩擦による色移りリスクが高まる傾向があります。
そのため、堅牢度はアパレル品質において非常に重要な項目のひとつとなっています。
なぜ色移りは起きるのか?
色移りの原因はひとつではありません。複数の要因が重なって発生するケースがほとんどです。
染料と素材の相性
堅牢度は、使用する染料と素材の組み合わせによって大きく変わります。
例えば、
- 黒い綿素材
- デニム製品
- インディゴ染料
などは、摩擦による色移りが発生しやすい傾向があります。
特にデニム製品は、「色落ち感」も商品の魅力のひとつである反面、堅牢度面では注意が必要な素材でもあります。
また、使用する染料そのものの性能によっても堅牢度は左右されます。
耐光性能が弱い染料では、紫外線による色褪せが起きやすくなるケースもあります。
さらに、同じ黒色でも使用する染料の種類や組み合わせによって、堅牢度性能には差が出ます。
見た目だけでは判断できないため、試験による確認が重要になります。
染色・加工条件の違い
染色や加工工程の条件差も、堅牢度へ大きな影響を与えます。
例えば、
- 染色温度
- 洗浄条件
- 加工時間
- 乾燥条件
などが適切でない場合、染料が十分に定着しないことがあります。
また、コストや納期制約などによって、品質にばらつきが発生するケースもあります。
海外生産では工場ごとの管理基準や設備差によって品質が変動することもあり、安定した堅牢度を維持するためには継続的な品質確認が欠かせません。
「堅牢度」にはさまざまな種類がある
一口に堅牢度と言っても、実際には複数の試験項目があります。
摩擦堅牢度
着用中の摩擦による色移りを確認する試験です。
例えば、
- バッグとの擦れ
- 重ね着による摩擦
- 椅子との接触
などによって、どの程度色移りするかを確認します。
濃色製品では特に重要視される項目です。
「購入後すぐに白いバッグへ色移りした」というケースは、この摩擦堅牢度が関係している場合があります。
洗濯堅牢度
家庭洗濯による、
- 色落ち
- 色移り
- 変色
などを確認する試験です。
「洗濯したら他の服に色が移った」というトラブルは、この項目と大きく関係しています。
洗濯堅牢度では、生地そのものの変色だけでなく、他の衣類へどの程度汚染するかも確認されます。
耐光堅牢度
太陽光(紫外線)による色褪せを確認する試験です。
屋外で着用する衣類やカーテンなどでは重要な評価項目です。
長時間日光へさらされることで、徐々に退色するケースがあります。
汗堅牢度
汗によって、
- 色が変化しないか
- 他のものへ色移りしないか
を確認する試験です。
スポーツウェアや夏物衣料で重視されます。
汗と摩擦が重なることで色移りが発生しやすくなるため、特に濃色衣料では注意が必要です。
昇華(ガス化)堅牢度
熱によって染料がガス化し、色移りや変色が起きないかを確認する試験です。
輸送中や保管中、高温環境で問題になるケースがあります。
特に高温環境で長時間保管された場合、染料が生地表面へ浮き出してしまうケースもあります。
堅牢度はどのように評価される?
堅牢度は、専用の判定基準を用いて評価されます。
一般的には、
- 5級:非常に良好
- 1級:問題が大きい
という基準で判定されます。
実際には、
- 2-3級
- 3-4級
などの中間評価もあり、細かく品質判定が行われています。
販売先やブランドによって求められる基準は異なりますが、一定以上の堅牢度を満たしていない場合、出荷できないケースもあります。
そのため、堅牢度試験は品質管理において非常に重要な役割を担っています。
堅牢度不良が起きるとどうなる?
もし堅牢度不良の商品が市場へ流通すると、さまざまな問題につながります。
色移りトラブル
洗濯時に他の衣類へ色移りしたり、着用中にバッグへ色が付着するケースがあります。
また、クリーニング工程で他の商品へ色移りするケースもあり、大きな問題になる場合があります。
商品価値の低下
色褪せや変色によって、商品の見た目が大きく損なわれます。
特にファッション製品では、色や見た目が商品の価値そのものにつながるため、堅牢度不良は大きな品質問題になります。
ブランドイメージへの影響
現在はSNSの影響も大きく、
「色落ちした」
「品質が悪かった」
という投稿が拡散されるケースもあります。
品質問題は、企業やブランドの信頼にも直結します。
一度失った信頼を回復するには、多くの時間とコストが必要になる場合もあります。
桑原ではどのような対応を行っているのか
桑原では、第三者検査機関で堅牢度不良となった製品に対して、改善へ向けた対応を行っています。
1. 状況確認・簡易試験
まず、
- 不良項目
- 素材
- 試験データ
などを確認します。
その後、社内で簡易試験を実施し、現状を把握します。
なお、社内試験は修整前後の変化確認を目的とした簡易試験であり、正式なJIS試験とは異なります。
2. 処方検討
素材・染料・加工状態などを確認しながら、改善方法を検討します。
必要に応じて複数パターンのサンプル検証を行い、最適な処理方法を選定します。
製品によって適した処理方法は異なるため、素材や状態に応じた判断が重要になります。
3. 色止め加工
堅牢度不良への対応方法のひとつが「色止め加工」です。
例えば、
- 余分な染料を除去する処理
- 染料の流出を抑える加工
などを組み合わせ、色移りリスク低減を目指します。
ただし、加工内容によっては、
- 風合い変化
- シワ
- 外観変化
などが発生する場合もあるため、製品ごとに適切な調整が必要です。
品質改善では、堅牢度だけでなく、見た目や風合いとのバランスも重要になります。
品質トラブルはブランド価値にも関わる
色落ちや色移りは、単なる品質問題ではありません。
- クレーム対応
- 返品・交換
- ブランドイメージ低下
- 販売機会損失
など、企業側にも大きな影響を与えます。
だからこそ、堅牢度への対応は「品質維持」のために欠かせない重要な取り組みです。
品質を守ることは、ブランド価値を守ることにもつながっています。
堅牢度不良でお困りの際はご相談ください
桑原では、
- 検品
- 修整
- 品質改善
まで一貫して対応しています。
「色移りが発生した」
「改善方法が分からない」
「納期やコスト制約の中で対応したい」
など、堅牢度不良でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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