KUWAHARA Lab | 検品・修整・品質改善の研究所

Vlog_1 イタリアからVlogをお届けします!

Topics

トップ > 記事一覧

Vlog_1 イタリアからVlogをお届けします!

取り組み / 品質管理 / 検品 / 海外 / 海外・グローバル展開 / 最新記事、海外、vlog
2026年8月18日

ボン・ジョールノ!イタリアへ移住して15年目の筆者が、現地ならではの情報をお届けするVlogを担当させていただきます。

以前はアパレルの企画・デザインを長年していた経験から、イタリアのファッション関連の情報もタイムリーにお伝えしてまいります。


北イタリアからVlogをお届けします

Lago di Garda(ガルダ湖)

6月半ば以降、平均36℃の猛烈な暑さが続くイタリア。筆者が住む北イタリアには国内最大の湖、ガルダ湖があります。

ガルダ湖の広さは東京23区の半分以上の広さ。湖の周辺には数多くのビーチが点在し、4月後半から湖水浴を楽しむ人の姿が見られます。

山に囲まれる湖は透明度が高く、水が冷たくて気持ちいい。知る人ぞ知るビーチは海水浴場のような混雑もなく、地元の人がまるで「マイビーチ」のように穏やかな時間を過ごします。

ミラノを象徴する大聖堂とガッレリア

Duomo di Milano(ミラノ大聖堂)

筆者が住む中堅都市からミラノまでは電車で一時間ほど。ミラノは魅力の宝庫で、建築・芸術・ファッション・食、そのどれもが繋がれてきた歴史と文化を背景に、唯一無二のイタリアンデザインを生み出していると感じます。

Galleria Vittorio Emanuele Ⅱ

建設開始から12年を経て1877年に完成したGalleria Vittorio Emanuele Ⅱ(ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア)は、ミラノを象徴する建築の一つです。

ガッレリア(アーケード)の中には、長い歴史を持つ専門店や老舗のカフェ・レストラン、ハイブランドが軒を連ねています。

プラダの原点となったFratelli Prada(フラテッリ・プラダ)

Fratelli Prada

アーケードの中央に位置するプラダの横にあるのが、プラダの原点となったFratelli Prada(=プラダ兄弟)店です。

1913年、このガッレリアにマリオ・プラダとマリティーノ・プラダの兄弟が高級革製品店を開いた時の店名をそのままに、外観も創業当時の雰囲気を残して営業を続けています。

当時は皮革専門店でしたが、1978年にマリオの孫娘であるミウッチャ・プラダが経営を引き継ぎ、プラダを世界的なラグジュアリーブランドに改革しました。

Fratelli Pradaは113年前からガッレリアに存在しているお店であり、世界中でこの一店舗のみとなっています。

地下へと続く店内は、歴史を感じさせるアンティークな内装とインテリアが素敵です。職人の手によって作られた美しいバッグの数々にも心を奪われるでしょう。

生地の国際見本市 Milano Unica(ミラノ・ウニカ)

この日筆者がミラノを訪れた一番の目的は、郊外のコンベンションセンターRHO Fiera(ロー・フィエラ)で開催されている生地の国際見本市「Milano Unica(ミラノ・ウニカ)」の視察です。

RHO Fiera(ロー・フィエラ)入り口

鉄道駅を抜けると、ガラスと鉄骨を用いて帆をイメージした巨大な屋根デザインが印象的な展示会場の入口が見えます。

2026年7月7日~9日に開催されたMilano Unica(ミラノ・ウニカ)は、イタリア最大級の生地の国際見本市で、アパレル・テキスタイル業界向けのBtoB展示会です。

日本企業専用のパビリオンも設けられていて数多くのテキスタイルメーカーが出展していました。

2027-2028秋冬コレクションが発表された今回のミラノ・ウニカのテーマは「PUNK(パンク)」です。

ここで表現するPUNKは1970年代の反抗的なイメージのパンクではありません。

今日のファッション業界では、ラグジュアリーブランドでさえコピーされ、大量生産され、本来の魅力や希少性を失いつつあります。

そのような時代において最も革新的なのは「人の手でしか生み出せないもの」を作ることだと指摘しています。

大量生産や画一化への「抵抗」として、職人技・手仕事・唯一無二のものづくりを大切にするという考え方こそが”新しいラグジュアリーだ”というのがミラノ・ウニカのメッセージです。

単なる色や柄の提案だけでなく、ものづくりの価値観そのものをテーマにしているのが特徴的でした。

ミラノ・ウニカが掲げる4つのテーマ

・HANDCRAFT IS PUNK!

・CLASSIC IS PUNK!

・FREESTYLE IS PUNK!

・ROMANCE IS PUNK!

「PUNK!」という言葉は、「未来」を表しているように感じます。

Milano Unica展示会場内

ミラノ・ウニカが示した5つのキーワード

  • Craftsmanship (クラフトマンシップ)

手仕事・織り・染色・加工・仕上げが製品の価値を決める。完璧な均一さよりも人の手によるわずかな違いこそが美しさであり個性である。

  • Imperfection (不完全さ)

ムラ・しわ・手染め感・表面変化といった「不均一」な素材に起こりうる、エラーや個体差は欠点ではなく価値になる。

  • ベストセラーへの再解釈

新しい物をゼロから作るだけでなく、既存の人気素材を、加工・色・表情・織りによりアップデートする。

  • Sustainability (持続可能であること)

「環境に優しい」から選ぶというだけでなく、長く使える品質の高い素材を使用することで(廃棄を減らせて)結果的に環境にも良い。伝統技術や地域産業を未来へ継承することも含まれる。

  • 素材そのものの質感を楽しむ

派手なプリントよりも、ウール・シルク・カシミヤ・リネン・コットンなど、素材そのものが持つ質感にフューチャーする。

「PUNK」に込められたイタリアらしい考え方、ものづくりの哲学

ミラノ・ウニカがテーマとする現代の「PUNK」は、職人技を尊重し、一点一点に個性を持たせる、人間の技術と感性こそが価値であるとのメッセージが込められています。

AIやデジタル技術により価値観が大きく変わろうとしている現代への警報のように感じました。これは伝統・文化を重んじるイタリアらしい考え方、ものづくりの哲学が凝縮されたテーマだと言えるでしょう。


イタリア市場のリアルとブランド価値について思うこと

北イタリア最大級のファッションモールELNOS

イタリアの市場を見ると、物価高やファッションへの価値観の変化から、洋服や靴、バッグなどのアパレル商品にお金をかけなくなっている人が多くなっています。

路面店、ファッションモールでは低価格な海外のファストファッションが並んでいるのが現状。品質はあまり良くないけれど、手軽な値段で商品数が多いのが特徴です。

イタリア人の友人達とファッションの話をしている時に、次のような製品不良があったことを聞きました。

「洗濯すると色落ちして他の服に染まってしまった(移染)」

「数回着ただけで袖や脇の生地が劣化した(ピリング)」

「ファスナーの上げ下げがしにくい(縫製不良)」

「ボタンがすぐに取れた(ボタン付け不良)」などなど。

友人は「安いものだから(品質が悪くても」仕方ない」とショップへクレームしなかったそうですが、そのブランドで買うことはなくなったとのこと。

このような人が増えると、ブランド・企業への不信感と購買の機会損失に直結するでしょう。

ブランドの価値は品質から始まる

 

イタリアには高い品質で支持を集めるブランドが数多く存在します。

その中には、オンライン販売や海外輸出を中心に展開し、国内の限られた都市にしか店舗を持たないブランドも少なくありません。

一方で、多くの人の目に触れるファッションモールへ出店すれば認知度は高まりますが、その分コストも増え、ターゲット層とのミスマッチによって価格だけで敬遠されてしまうこともあります。

結果として十分な売り上げにつながらず、撤退を余儀なくされるケースを見てきました。

SNS全盛の今、無名ブランドであっても飛躍するチャンスは無限にあります。

だからこそ、商品がお客様の手元に届いた瞬間の品質が、ブランドへの信頼と価値を築く大きな鍵となるのではないでしょうか。

同じキーワードから記事を探す

取り組み品質管理検品海外海外・グローバル展開最新記事、海外、vlog

「Vlog_1 イタリアからVlogをお届けします!」への1件のフィードバック

  1. 拝読させていただきました。    ミラノ・ウニカについてもっと詳細をレポートして欲しかったとは思いますが情報ありがとうございます。
    Vlog-2楽しみにしています。

    返信

コメントする