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Vlog_2 イタリアに根付くサルトリア文化

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Vlog_2 イタリアに根付くサルトリア文化

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2026年10月14日

ボン・ジョールノ!イタリアから現地の情報をお届けするVlogです。2本目の今回は、イタリアに根付くサルトリア文化にフォーカスします。

—サルトリアとは?

 
Sartoria(サルトリア)は仕立て屋を意味します。

オーダーメイドや仕立て直しを行う個人経営・職人系の仕立て店は、2025年6月時点にて、イタリア全国で約14,000店ほどと推測されており、衣類のサイズ直しや修理を専門とするRiparazioni Sartorialiはチェーン展開する企業から個人店まで含めると数千に及びます。

イタリアでは「自分だけの一着を作る」という文化が残っており、経営者や専門職、フォーマルな装いが求められる場などに合わせ、サルトリアで服を仕立てる方は少なくありません。

 
サルトリアは、個人のお客様を主な対象とし、採寸から型紙の作成、仮縫い、試着、補正、本縫いまで、一人ひとりの体型に合わせて仕立てる完全オーダーメイドの服が中心です。

同じサルトリアでも、職人の技術や仕立ての考え方によって仕上がりには違いがあります。さらにイタリアでは、地域ごとに培われてきた服飾文化や美意識が仕立てにも反映されており、都市によってシルエットや仕立ての特徴に違いが見られます。
なかでも、イタリアの伝統的なテーラリングを語る際によく挙げられるのが、ナポリ、ミラノ、ローマを中心とした仕立てのスタイルです。
それぞれに異なる美意識と技術的な特徴があり、同じイタリアのサルトリアでも、仕立て上がりの印象は大きく異なります。

—イタリアの3大サルトリアの特徴

【ナポリ仕立て】


温暖な気候風土である南イタリアのナポリの仕立ては、裏地や芯地を極力省いた軽さと、動きやすさが特徴です。

その象徴が”シャツの肩”を意味する「Spalla a Camicia(スパッラ・ア・カミーチャ)」と呼ばれる、袖山にギャザーが入った袖の仕上がり。
シャツのような自然な肩ラインで、「着ていることを忘れるほど軽い」と評されるのがナポリスタイルです。

【ミラノ仕立て】


経済の中心地ミラノの伝統的な仕立ては、直線的でシャープ、洗練された都会的なシルエットが特徴です。

胸周りを立体的に作り、肩パッドを用いたしっかりした肩ライン、絞ったウエストで「身体のラインを美しく構築」。ビジネスシーンに端正な印象を残すのがミラノスタイルの魅力です。

【ローマ仕立て】


首都に形成されたクラシックなスタイルがローマ仕立ての特徴です。

ローマは第二次世界大戦後に映画制作の拠点となり、映画衣装を作る職人や工房がローマに集まったことでファッション業界が発展しました。
ドレープ感を持たせたシルエットで「長く着ても飽きないデザイン」、エレガントで気品のあるスタイルがローマらしさといわれています。

ここからは、ミラノにある2つのサルトリアをご紹介しましょう。

—120年以上の歴史を刻むミラノの老舗店「Camiceria Ambrosiana dal 1900」


1900年創業、現存するミラノの老舗カミチェリア(シャツ専門店)の一つ、Camiceria Ambrosiana dal 1900(カミチェリア・アンブロジアーナ・ダル・1900)。Duomo大聖堂からほど近いミラノ中心部に店舗を構え、家族経営で受け継がれてきました。

伝統的なスタイルのオーダーシャツを手がけ、現在はスーツのオーダーにも対応しています。
店内にはアトリエが併設されており、採寸からシャツの仕立てまで職人の手仕事を身近に見られるのが特徴です。
特にシャツの襟の美しさには定評があり、「ノーネクタイでも襟がきれいに立つ」と、そのフィット感や仕立ての良さを評価されています。

—婦人服専門のサルトリアElisa Sanna

ミラノ近郊の小さな工房で服作りを学んだデザイナー、Elisa Sanna(エリーザ・サンナ)が、約10年の経験を積んだ後、2020年に自身のブランドを創業。
2022年には、アートギャラリーが集まるミラノのCinque Vie地区にアトリエをオープンしました。
一般的なサルトリアとの違いは、ブランドのデザインをベースに、顧客の体型や希望に合わせてデザインやパターンを調整するオーダースタイルです。
店内にはシーズンごとのコレクションが並び、値札も付いているため、一見するとブティックのようです。手刺繍やビジューを取り入れた、クチュールを思わせるエレガントなデザインも特徴。
伝統的なイタリアの仕立て技術をベースに、ミラノらしい洗練されたデザインを融合し、新しいサルトリアの形を提案しています。

—「服を身体に合わせる」イタリアに根付くサルトリア文化

今回のVlogでは、イタリアに根付くサルトリア文化についてご紹介しました。
イタリアでは、ただ服を着るのではなく、「自分の身体にきれいに合っている服を着る」ことが大切にされています。
完全なオーダーメイドから、既製服のお直しや修理まで。そこには、服を単なる消耗品としてではなく、自分の身体や個性に寄り添うものとして大切にする文化があります。
職人と会話をしながら、一人ひとりの身体に合わせて服を整えていく。そんな小さな積み重ねが、世代を超えてイタリアのサルトリア文化を支えてきたのかもしれません。
「服に身体を合わせる」のではなく、「身体に服を合わせる」。
その考え方こそが、今もイタリアにサルトリアが息づいている理由なのではないでしょうか。

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